その転記と集計、年間いくら分か——手作業コストの計算式
結論
手作業のコストは「月の回数 × 1回にかかる時間 × 関係する人数 × 時給換算の実質人件費」で計算できます。ポイントは2つ。担当者1人ではなく関係する全員の時間を合計すること、そして時給は額面ではなく社会保険料などの会社負担を含めた実質額で見ることです。この式で計算すると、目立たない転記や集計が年間数十万〜数百万円分の人件費にあたることが珍しくありません。
計算式
月の手作業コスト = 月の回数 × 1回の時間 × 関係する人数 × 実質時給
年間コスト = 月の手作業コスト × 12
それぞれの数字の拾い方を説明します。
月の回数と1回の時間: 正確な計測は不要です。担当者に「この作業、週に何回くらい? 1回何分くらい?」と聞くだけで、試算には十分な精度が出ます。毎日やる作業なら月20回、週次なら月4回で計算します。
関係する人数: ここが最も見落とされます。たとえば日報なら、書く現場のメンバー全員の時間と、それを集計する事務の時間の合計です。現場10人が毎日15分書けば、それだけで月50時間になります。
実質時給: 額面の時給ではなく、社会保険料などの会社負担を含めた金額で見ます。目安として額面の1.15〜1.3倍。月給25万円の社員なら、実質時給はおおむね2,000〜2,500円です。
計算例(架空のモデルケース)
従業員22名の会社で、実質時給2,500円として試算した例です(実在企業のデータではありません)。
| 業務 | 月の手作業(関係者合計) | 年間コスト換算 |
|---|---|---|
| 日報・報告書の作成と集計 | 45時間 | 135万円 |
| 請求書の作成・照合 | 38時間 | 114万円 |
| 受発注の入力 | 32時間 | 96万円 |
3業務の合計で月115時間、年間では約345万円分の人件費が「転記・集計・照合」に使われている計算になります。もちろんこの全額が削減できるわけではありませんが、自動化とAIで半分になれば年170万円分。何もしない判断も、この数字を見てからのほうが良い判断になります。
計算するときの注意点
削減額を過大に見積もらないこと。 自動化しても、確認や例外対応の時間は必ず残ります。全額が削減できる前提で計算せず、試算には「削減率」の前提(たとえば5割なら5割と)を必ず書き添えてください。
金額の大小より「どの業務が重いか」の順位を見ること。 この計算の一番の価値は、感覚では分からなかった「実は一番時間を食っている業務」が特定できることです。対策の優先順位は、この順位から決めるのが合理的です。
自分で計算する時間がない場合
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出典
- なし(本記事は計算方法の解説であり、統計の引用はありません。計算例は架空のモデルケースです)